【2024年最新版】「食品表示ラベル」とは?(作り方付き)

このページをご覧いただいたということは、2020年4月に義務化された「新表示」や、2022年4月に義務化された「産地表示」の対策をされている方かと思います。

実は、違反するとたった一度で会社が倒産に追い込まれるほど「罰則が重いので、この記事を読んでいただいている方には、しっかりと遵守していただきたいと思います。

 

えー全然そんなイメージなかった。。

 
 

たべる君、実はそうなんじゃ。今から解説するから、よく聞くんじゃよ!

 

この記事さえ読めば、2020年4月の新表示が義務化された「食品表示ラベル」について、100%に近い対策ができるようにしています。

上から順に読んでいくと、キレイに理解できるように作成していますが、確認したい部分が具体的に分かっている方は、適宜読み飛ばしてください。

全体を理解するのが、面倒な方はコチラで紹介しているサービスを検討されることをオススメします。

表示ラベルを違反した場合(罰則・ペナルティ)

まず最初に、新表示の「食品表示ラベル」に違反した場合の罰則をご紹介します。

たかが「食品表示ラベル」と甘くみてはいけません。実は冒頭で述べた通り罰則が非常に重いのです。

違反の内容によっても罰則は変わるので、それぞれ詳しく紹介します。

表示の不足があった場合

  • 違反企業への是正指示・公表
  • 是正指示を無視すると、1年以下の懲役、または1億円以下(個人は100万円)の罰金・公表

原産地の虚偽があった場合

  • 販売した場合、2年以下の懲役、または1億円以下(個人は200万円以下)の罰金

重大な表示の不足があった場合

  • 予告なく、2年以下の懲役、または1億円以下(個人は200万円)の罰金

重大な表示の不足、かつ緊急の場合

  • 食品の強制回収・業務停止命令・公表
  • 業務停止命令を無視すると、3年以下の懲役、または3億万円以下(個人は300万円)の罰金

立入検査を拒否した場合

  • 50万円以下の罰金

違反が発覚次第、公表され、お客様や取引先からの信頼を失うこともあり、場合によってはたった一度で倒産に追い込まれる会社も存在するかと思います。

せっかくこの記事を読んでくださっている皆様は、絶対に厳守するようにしてください。

作成が必要な方

食品表示ラベルの作成が必要な方は、以下に該当する方となります。

加工食品の

  • 製造者
  • 加工者
  • 輸入者
  • 販売者

これら全員が表示を作成する必要がある、という訳ではありません。

後述しますが、食品表示ラベルには「氏名または名称」と「住所」を書く必要があります。そこに表示されている者が、表示に対しての責任を負うことになります。

言い換えてしまうと、その食品に対して「責任を負うべき人」が、食品表示ラベルを作成する必要がある、ということになります。

 

先生、罰則とか責任者は分かったんですが、そもそも「食品表示ラベル」ってどういうものなんですか?

 
 

そうじゃな、それでは「食品表示ラベル」について詳しく見ていくとしよう!

 

そもそも「食品表示ラベル」って何?

名前の通り「食品を販売する際に、表示が義務付けられているラベル」になります。

消費者を守ることを目的とした「食品表示法」「食品表示基準」により、食品の種類ごとに必要な「表示項目」「内容」「レイアウト」を細かく決められており、それを守る必要があります。

ラベル作成における基本ルール

もっとも基本的なこととして、ラベルを表示する際には、以下を守る必要があります。

  • 包装箇所の見やすい箇所に表示する。
  • 容器を包装などで包む場合、次の 3 つのうちのいずれかの対応が必要。
    1. 外装に必要な表示をする。
    2. 容器の表示が外装を透かして読めるようにする。
    3. 外装で隠れないようにする。
  • 表示に用いる文字・枠の色は、背景の色と対象的な色とする。
  • 表示に用いる文字の大きさは、8ポイント以上(表示可能面積がおおむね 150c㎡ 以下の場合は、5.5 ポイント以上)。
  • 項目名は、各項目にて指定されたもの以外の使用は、認められない。
  • 栄養成分表示を除く、基本的な表示は、まとめて以下の通りに書く(これを一括表示という)。ただし、まとめるのが難しい場合、違う場所に表示し、その場所を、一括表示内に記載することが可能。

参考様式は以下の通りです。

別記様式一(食品表示法:第八条関係)

別記様式二(食品表示法:第八条、第二十二条、第三十五条関係)

 

先生、いきなり守らないといけない事がたくさんありますね・・。

 
 

たべる君の言う通り。辛いときは「便利なサービス」があるので、頼ってしまうのも手じゃ!

 

便利なサービスについては、コチラで紹介しています。

作成の手順

さて「食品表示ラベル」の概要が分かったところで、さっそく作成の手順をご紹介します。

大きく別けると、2ステップになります。

  1. ラベルに必要な項目を埋めていく。
  2. 食品ごとの特別ルールがないか確認する。

この記事の大部分では、「1. ラベルに必要な項目を埋めていく」について、説明をしています。

その後、「2. 食品ごとの特別ルールがないか確認する」を説明していきます。

冒頭で述べた通り、この記事を上から順に確認をしていくだけで「完成度の高い食品表示ラベル」が作成できるように設計しています。

ラベルに必要な項目

では、実際にこの「食品表示ラベル」に記載するものを考えていきます。

食品表示ラベルの作成に必要な要素を、一覧にしてみました。

  1. 名称
  2. 原材料名
  3. 原料原産地名
  4. 原産国名(特定の場合のみ)
  5. アレルギー(2. 原材料名に内包)
  6. 添加物(2. 原材料名に内包)
  7. 栄養成分
  8. 内容量(内容重量・内容体積・内容数量)
  9. 消費期限(賞味期限)
  10. 保存方法
  11. 製造者(もしくは加工者・輸入者・販売者)
  12. その他(食品ごとに必要な項目)

項目が多いのと、それぞれが複雑かつ手間がかかるので、効率的に埋めていくことが重要となります。

次の項目では、その方法を解説していきます。

リストの効率的な埋め方

上記のリストのうち「2. 原材料名」の項目を計算しようとすると、必然的に以下のオレンジ色の部分がまとまります。

  1. 名称
  2. 原材料名
  3. 原料原産地名
  4. 原産国名(特定の場合のみ)
  5. アレルギー(2. 原材料名に内包)
  6. 添加物(2. 原材料名に内包)
  7. 栄養成分
  8. 内容量(内容重量・内容体積・内容数量)
  9. 消費期限(賞味期限)
  10. 保存方法
  11. 製造者(もしくは加工者・輸入者・販売者)
  12. その他(食品ごとに必要な項目)

そのため、これら 6 つはまとめて考えるのが効率的です。

 

先生、一気に埋まりそうですね!

 
 

たべる君、そうなんじゃ!表示ラベルは「原材料から」と、覚えておこう。

 

それでは、これら 6 つを計算する上での「ポイント」を説明します。

原材料名・アレルギー・添加物・栄養成分を効率的に計算するためのポイント

以下の「 5 つのステップ」の流れで計算していくと、上記の 6 つの項目を効率的に計算することができます。

  1. 食品に使われている、すべての原材料(カスタードクリームなどの「複合原材料」を含む。)をリストにする。
  2. リストにした、それぞれの原材料に対して「カロリー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量やナトリウム量(場合によってはそれ以外の栄養素も)」「含んでいる添加物とその量」「その原材料の生産地と複数の場合はそれぞれの産地の割合」の情報をまとめる。
  3. それぞれの原材料を完成品に対しての「割合(%)」と「量(g)」を計算する。
  4. 3 から計算された結果によって「原材料」「栄養成分」「食品添加物」の数量・並び順を、多いものから順に並び替える。
  5. 商品や原材料による特殊な条件によって表記を修正する。(この部分は、下を読み進めてください。)
 

先生サラーっと書いてますが、これめちゃくちゃ面倒じゃないですか?

 
 

正直言って、複雑で面倒じゃ。だから、何度もツールを使うことを薦めているということじゃの。

 

これらの計算は正直いって非常に面倒です。筆者も使っている「スマート食品表示」などの計算サービスを使うことをオススメします。

計算結果を使って各項目を埋めていく

計算が終われば、ある程度の要素は揃っている状況になるので、これを使って具体的に埋めていきます。

それぞれの表示項目には、細かな規則があるのですが、ここでは「ルール」としてまとめました。

この「ルール」に従っていけば、ある程度の完成度になるように設計しているので、ルールに従って埋めていってみてください。

1. 名称

名称は、あまり難しくありません。まずは、基本的なルールを見ていきましょう。

基本ルール

  • 具体的な商品名ではなく、誰が見ても分かる「社会通念上一般的な名前」(参考:「よくある名称リスト」)。
  • 具体的な商品名は、一括表示の外に表示する。
  • 食品表示ラベル内の「名称」という項目名自体は、他にも「品名」「品目」「種類別」「種類別名称」の表記が可能。

◯ 名称:パン類、☓ 名称:こだわりのクリームパン

またラベルを作ろうとしている食品によっては、守るべきルールがあるので、以下を確認してください。

特別ルール ①:特定の食品に該当する場合

以下に関係ない食品であれば、この項目は無視してください。

トマト加工品、乾しいたけ、マカロニ類、ハム類、プレスハム、混合プレスハム、ソーセージ、混合ソーセージ、ベーコン類、魚肉ハム及び魚肉ソーセージ、削りぶし、うに加工品、うにあえもの、乾燥わかめ、塩蔵わかめ、みそ、しょうゆ、ウスターソース類、ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料、食酢、乾燥スープ、食用植物油脂、マーガリン類、チルドハンバーグステーキ、チルドミートボール、チルドぎょうざ類、豆乳類、にんじんジュース及びにんじんミックスジュース

関係がある場合、『食品表示基準』の「別表第五」から、さらに自分の食品と一致する食品を探し、「この表で決められている名称」を使用してください。

逆に「この表で決められている名称」は、該当の食品以外には、使用することが認められていません。

特別ルール ②:「生乳」「生山羊乳」「生めん羊乳」以外の「乳・乳製品」の場合

こちらに該当する方は、『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和 26 年厚生省令第 52 号)』の「第二条」に従って、内容によって「決められた名称」を使用してください。

2. 原材料名

原材料名には、先ほどの「名称」よりも細かなルールが、たくさん存在します。

ややこしいですが、しっかり読んで「正しい表記」を理解した上で、原材料を考える必要があります。

基本ルール

  • 使っている量が「多いもの順」に書きます。例)小麦粉、卵
  • 原材料の表示名は「最も一般的な名称」にします。例)✕ 商品名、◯ 小麦粉

例1 基本の書き方)原材料名:◯◯、△△、マヨネーズ(食用植物油脂)、卵黄(卵を含む)、醸造酢、香辛料、食塩、砂糖)、□□、XX

 

あー食品表示ラベルで、一番見るところですね!

 
 

そうそう、もっと細かくみてみよう!

 

追加ルール ①:複合原材料(ケチャップ・カスタードクリームなど)を使うとき

  • 2 種類以上の原材料からなる「複合原材料(例えば、ケチャップ・カスタードクリームなど)」を使用する場合、複合材料名の後ろに()書きで、複合原材料の原材料を表示します。ただし、複合原材料において 3 種類以上の原材料があり、3 位以下で 5 %未満のものは「その他」と表示が可能です。
  • 該当の複合原材料が、原材料全体の 5 %未満の場合は、複合原材料の後ろの()書きを省略が可能。
  • 該当の複合原材料が、複合原材料名から、その原材料が明らかである場合、複合原材料の後ろの()書きを省略できます。
  • 単に混合した「原材料の性質に大きな変化がない複合原材料(例えば、砂糖・ココアパウダー・その他を混合した「ココア調整品」など)」を使用する場合、原材料に分割して表記することが可能。性質が異なれば、原材料の分割での表示は認められない。例)◯ ココア調整品 → 砂糖、ココアパウダー、アーモンドパウダー、✕ つぶあん→砂糖、小豆、水あめ、寒天

例2 原材料に複合原材料がある場合)原材料名:◯◯(△△産)、マヨネーズ(食用植物油脂)、卵黄(卵を含む)、醸造酢、食塩、砂糖)、□□、XX

例3 香辛料、食塩、砂糖が 5 %未満で 3 位以下を省略する場合)原材料名:◯◯(△△産)、マヨネーズ(食用植物油脂)、卵黄(卵を含む)、醸造酢、その他)、□□、XX

例4 使用したマヨネーズの最終製品に占める割合が 5 %未満の場合)原材料:◯◯、△△、□□、XX、・・・・、マヨネーズ(卵を含む)

追加ルール② :アスパルテームなどの「L-フェニルアラニン化合物」を含む場合

  • 「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」と表示するなど「L-フェニルアラニン化合物」を含む旨の表示が必要です。

表示を義務付けられている理由として、フェニルケトン尿症の新生児が摂取すると、脳に障害が起こる可能性があることが報告されているためです。

特別ルール①:原材料が 1 種類のみである場合

  • 食品が「缶詰」「食肉製品」「特定保健用食品」「機能性表示食品」以外で原材料が 1 種類のみである場合、一括表示から「原材料名」の項目自体の省略が可能。

特別ルール②:容器包装で原材料の特色を強調している場合(任意)

  • 「特定の原産地」「有機加工食品」など、使用した原材料が特色ある旨の表示をする場合には「その原料の割合」を任意で表示が可能。

特別ルール③:容器包装の表示可能面積が、だいたい 30c㎡ 以下である場合

  • 「特定保健用食品」「機能性表示食品」以外であれば、一括表示から「原材料名」の項目自体の省略が可能。
 

先生「だいたい 30 c㎡」って何なんですか。

 
 

だいたいは、だいたいじゃ!国がそう言っているからいいのじゃ。

 

特別ルール④:「大豆」「枝豆」「大豆もやし」「とうもろこし」「ばれいしょ」「なたね」「綿実」「アルファルファ」「てん菜」「パパイヤ」を主な原材料としている場合

これらは「分別生産流通管理」をしているかどうかで、表示の義務が変わります。

「分別生産流通管理」とは、農場から、食品製造業者まで、生産、流通及び加工の各段階で相互に混入が起こらないよう管理し、そのことが「書類等により証明ができる」状態のことを言います。

この部分は、『食品表示基準』の「別表第十六(第二条関係)」に記述があり、さらに自分の食品が該当しているか知りたい場合は、『食品表示基準』の「別表第十七」で確認することができます。

またこの部分について改正があり、2023年4月1日より表示方法が変わりました。

「分別生産流通管理」している場合

  • 使用する原材料に、遺伝子組み換えが5%以上混入する場合、「大豆(遺伝子組み換え )」と表示が必要。
  • 使用する原材料に、遺伝子組み換えが5%以下混入する場合、「大豆(分別生産流通管理済み )」と表示が必要。
  • 使用する原材料から、遺伝子組み換えが全く検出されなかった場合、「大豆(遺伝子組換えでない)」と任意で表示が可能。

「分別生産流通管理」していない場合

  • 「大豆(遺伝子組換え不分別)」と表示が必要。

特別ルール⑤:「特定の遺伝子組み換え」が行われた大豆・とうもろこしを主な原材料として使用している場合

  • 「高オレイン」もしくは「ステアリドン酸産生」の形質を持つ「大豆(脱脂されたことにより、形質を有しなくなったものを除く)」、また「高リシン」の形質を持つ「とうもろこし」を原材料として使用する場合は、その形質によって「大豆(高オレイン遺伝子組換え)」や「大豆(高オレイン遺伝子組換えのものを混合)」と表示が必要。

この部分は、『食品表示基準』の「別表第十八(第三条、第十八条関係)」に記述があります。

3. 原料原産地名

国内で製造した場合、特定の原材料に「原料原産地名」の表示が必要となります。

場合によっては、非常にややこしくなる項目なので、しっかりと確認してください。

国内の製造ではなく、輸入した食品の場合は、ここは読み飛ばし、この後の項目である「4.原産国名」を参考にしてください。

基本ルール

  • 原料原産地名の表示が必要な原材料は「原材料に占める重量が最も多い原材料(対象原材料)」となる。
  • 原料原産地名は、次のうちいずれかに表示が必要。
    1. 原材料名の「対象原材料」の後ろに()を付けて、その中に書く。例1)豚肉(国産)
    2. 「原料原産地名」という枠を用意して、具体的な「原料原産地名」を書き、その後ろに()書きで対象の原材料を書く。例2)国産(豚肉)
  • 「原料原産地」が「国外」の場合は、「原産国」を表示する。例)豚肉(アメリカ)
  • 「原料原産地」が「国内」の場合は、「国産」と表示する。例)豚肉(国産)

追加ルール ①:原料原産地が「国内」の場合

基本的には「国産」という表示が可能ですが、以下の表示が認められています。

  • 農作物の場合、都道府県名、その他一般に知られている地名
  • 畜産物の場合、主たる飼養地(最も飼養期間が長い場所)が属する都道府県名、その他一般に知られている地名
  • 水産物は、生産(採取及び採捕を含む。)した水域名、水揚げした港名、水揚げした港、主たる養殖場(最も養殖期間が長い場所)が属する都道府県名、その他一般に知られている地名

追加ルール ②:以下のいずれかに該当する食品の場合

まずは、食品が下記に該当するかを確認します。

該当している場合、「原材料の中で最も重い原材料」とは別に「原料原産地」を記述する必要があります。

また、その原材料の重量の 50 %以上を占めている原料原産地によって、国内の場合は「追加ルール ①:原料原産地が「国内」の場合」の表示、輸入品の場合は「原産国名」を表示する必要があります。

番号 大分類 小分類
1 乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実(フレーク状又は粉末状にしたものを除く。) 例)乾しいたけ、かんぴょう、切り干しだいこん、乾燥ぜんまい、かんしょ蒸し切り干し、乾燥ねぎ、干し柿、干しぶどう 等
2 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実(農産物漬物を除く。) 例)塩蔵きのこ、塩蔵山菜ミックス 等
3 ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。) 例)ゆでたけのこ、ゆでたぜんまい、下ゆでしたさといも、ふかしたさつまいも、ゆでた大豆、なまあん、乾燥あん 等
4 異種混合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、果実及びきのこ類を異種混合したもの(切断せずに詰め合わせたものを除く。) 例)カット野菜ミックス、野菜サラダ(生鮮食品のみで構成されたものに限る。)、カットフルーツミックス 等
5 緑茶及び緑茶飲料 例)煎茶、玉緑茶、玉露、抹茶、番茶、ほうじ茶、緑茶飲料 等
6 もち 例)まるもち、のしもち、切りもち、草もち、豆もち 等
7 いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類 例)いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生、いり大豆 等
8 黒糖及び黒糖加工品 例)黒糖蜜、黒糖菓子 等
9 こんにゃく 例)板こんにゃく、玉こんにゃく、糸こんにゃく 等
10 調味した食肉(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除く。) 例)しお・こしょうした牛肉、タレ漬けした牛肉、みそ漬けした豚肉 等
11 ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。) 例)ゆでた牛もつ、蒸し鶏、ゆで卵、温泉卵 等
12 表面をあぶった食肉 例)牛たたき(生食用食肉の規格基準を満たすもの) 等
13 フライ種として衣をつけた食肉(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除く。) 例)衣を付けた豚カツ用の豚肉、衣をまぶした唐揚げ用の鶏肉 等
14 合挽肉その他異種混合した食肉(肉塊又は挽肉を容器に詰め、成形したものを含む。) 例)合挽肉、成形肉、焼肉セット(異種の肉を盛り合わせたもので、生鮮食品のみで構成されたものに限る。) 等
15

素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼きのりその他干した海藻類(細切若しくは細刻したもの又は粉末状にしたものを除く。)

例)みがきにしん、たづくり(素干しのもの)、たたみいわし、するめ、丸干しいわし、さば開干し、煮干いわし、しらす干、ちりめんじゃこ、干ほたて貝柱、干さくらえび、だしこんぶ、干こんぶ、板のり、焼きのり、味付けのり、乾燥わかめ、干ひじき 等
16 塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類 例)塩さんま、塩さば、塩かずのこ、塩たらこ、塩いくら、すじこ、塩うに、塩蔵わかめ、塩蔵したうみ、ぶどう 等
17 調味した魚介類及び海藻類(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するもの並びに缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。) 例)まぐろしょうゆ漬け、あこうだいの粕漬け、あまだいのみそ漬け、もずく酢、味付けめかぶ、いくらしょうゆ漬け、食用油脂を加えたまぐろのすき身 等
18 こんぶ巻  
19 ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。) 例)ゆでだこ、ゆでかに、ゆでしゃこ、釜揚げしらす、釜揚げさくらえび 等
20 表面をあぶった魚介類 例)かつおのたたき 等
21 フライ種として衣をつけた魚介類(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除く。) 例)衣を付けたカキフライ用のかき、衣を付けたムニエル用のしたびらめ 等
22 4又は14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの(切断せずに詰め合わせたものを除く。) 例)ねぎま串、鍋物セット(生鮮食品のみで構成されているもの) 等

小分類に該当する可能性が高いが、詳細が不安な場合は、以下に問い合わせすることが可能です。

消費者庁は、本当に答えが必要な人に対して、時間を割いて回答しています。くれぐれも、この記事を読んで分かる基本的なことは、聞かないようにしましょう。

消費者庁

代表番号: 03-3507-8800(平日 9:30 ~ 17:30。ただし、12:00 ~ 13:00 を除く。)

 

先生!どうしても分からないことがあって消費者庁に電話したのですが、いつも「後でかけ直してください。」と言われます。。

 
 

実はそうなんじゃ、、しかも、順番待ちでもないらしい。一度、我慢できず「繋がるかどうかは、運次第ということですか?」と質問したら「そうなりますね。」と言われてしまったのじゃ。。

 

追加ルール ③:「農産物漬物」「野菜冷凍食品」「うなぎ加工品」「かつお削りぶし」「おにぎり」のいずれかの食品の場合

これら 5 つの食品は、以下の条件に当てはまる原材料については「原材料の中で最も重い原材料」とは別に「原料原産地」を記述する必要があります。

食品分類 内容
農産物漬物 重量割合上位 4 位(内容重量が 300g 以下のものは上位 3 位)かつ 5 %以上の原材料
野菜冷凍食品 重量割合上位 3 位かつ 5 %以上の原材料
うなぎ加工品 うなぎ
かつお削りぶし かつおのふし
おにぎり のり

追加ルール ④:2カ国以上の原産地の原材料を使用している場合

重量が重いものから順に国名を表示します。

  1. 2 カ国のみの場合、重量の重い順に「豚肉(アメリカ、カナダ)」のような表示が必要。
  2. 3 カ国以上の場合、2 カ国と同じ要領で、重量の重い順に「豚肉(アメリカ、カナダ、デンマーク、国産)」のように全て記述するか、もしくは 3 カ国目以降を「豚肉(アメリカ、カナダ、その他)」のように「その他」と表示することが可能。

使用する原材料の重量順が「固定」ではなく「変動」である場合、一定の条件をクリアすることで、以下の表示が可能です。

「又は表示」

過去の使用実績等に基づき、重い順に「又は」でつないで表示することが可能です。

「過去の使用実績に基づき表示したことを表す注意書きを表示すること」と「根拠書類の保管」の 2 つが条件となります。

以下が例です。該当部分を赤文字にしています。

名称:ウインナーソーセージ、原材料名:豚肉(アメリカ又はカナダ)、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・、※ 豚肉の産地は、平成◯年の使用実績順

さらに、一定期間における使用割合が 5 %未満である対象原材料の原産地については、当該原産地の後に()書きで、一定期間における使用割合が、5 %未満である旨を表示します。

名称:ウインナーソーセージ、原材料名:豚肉(アメリカ又はカナダ(5%未満))、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・、豚肉(アメリカ又はカナダ(5%未満))、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・

「大括り表示」(3カ国以上の場合)

過去の使用実績等に基づき、3カ国以上の外国の原産地を「輸入」と括って表示する方法することが可能です。根拠書類の保管が条件となります。

輸入品と国産品を使用する場合、重量を比べ、重いものから順に表示します。以下が例です。該当部分を赤文字にしています。

名称:ウインナーソーセージ、原材料名:豚肉(輸入)、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・

名称:ウインナーソーセージ、原材料名:豚肉(輸入又は国産)、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・

「大括り表示」+「又は表示」(3カ国以上の場合)

過去の使用実績等に基づき、3カ国以上の外国の原産地を「輸入」と括って表示し、さらに「輸入」と「国産」を重量割合の高いものから順に「又は」でつないで表示することが可能です。

「過去の使用実績に基づき表示したことを表す注意書きを表示すること」と「根拠書類の保管」の 2 つが条件となります。

以下が例です。該当部分を赤文字にしています。

名称:豚肉(輸入又は国産)、豚脂肪、たんぱく加水分解物、還元水あめ、・・・

追加ルール ⑤:対象原材料が加工食品の場合

対象原材料が「加工食品」であった場合、以下のように表示する必要があります。

  • 対象原材料が「海外」で製造されている場合、「◯◯製造」(◯◯は国名)と表示する。例)りんご果汁(ドイツ製造)
  • 対象原材料が「国内」で製造されている場合、「国内製造」もしくは「◯◯製造」(◯◯は都道府県名、その他一般に知られている地名)と表示。例)りんご果汁(青森県製造)
  • 対象原材料内で使われている生鮮食品が判明している場合、「◯◯製造」に代わり「対象原材料(原料(原産国、原産国))」といった表示が可能。例)りんご果汁(りんご(ドイツ、ハンガリー))

特別ルール:容器包装の表示可能面積が、だいたい 30c㎡ 以下である場合

  • 「原料原産地」の表示を省略できます。

4. 原産国名(特定の場合のみ)

輸入食品の場合、ラベルに「原産国名」の表示が必要となります。輸入食品ではない場合は、表示する必要はありません。

表示する場合、場所などは上記「ラベル作成における基本ルール」のセクションで紹介した「別記様式一」にある「原産国名」を参考にしてください。

5. アレルギー

食品のアレルギーは、場合によっては「命の危険」があります。

そのため「表示ラベルを違反した場合(罰則・ペナルティ)」の最も厳しい「重大な表示の不足、かつ緊急の場合」に当てはまるケースもあると想定されるので、しっかりと読み、法律に遵守した「食品表示ラベル」を作成しましょう。

表示項目

義務

「特定原材料」と呼ばれる、8品目を含む場合、アレルゲンの表示が義務付けられています。

  • えび
  • かに
  • くるみ
  • 小麦
  • そば
  • 落花生

任意(推奨)

また、任意ではあるものの表示が推奨されている、20品目の原材料があります。

これらは「特定原材料に準ずるもの」と呼ばれ、特定原材料と合わせて「特定原材料等28品目」とも呼ばれます。

こちらも場所によっては、義務に近い形で提示が求められているので、なるべく算出されることオススメします。

  • アーモンド(最近追加)
  • あわび
  • いか
  • いくら
  • オレンジ
  • カシューナッツ
  • キウイフルーツ
  • 牛肉
  • ごま
  • さけ
  • さば
  • 大豆
  • 鶏肉
  • バナナ
  • 豚肉
  • まつたけ
  • もも
  • やまいも
  • りんご
  • ゼラチン

基本ルール

アレルギー表示では、原材料の後ろに()書きでアレルゲンを表示する「個別表示」を原則としています。

これは、消費者に対して「食べられる部分」と「食べられない部分」の参考にするための情報を表示するため、このようになっています。

それも踏まえ、その他の「ルール」に基づき、アレルギー表示をおこなってください。

  • 原則は、原材料名の直後に()書きで、特定原材料を含む旨を表示する「個別表示」とする。ただし、特定原材料が乳の場合は「乳成分を含む」と表記する。例)マカロニ(小麦を含む)、チーズ(乳製品を含む)
  • 個別表示が難しい場合「一括表示」が可能。その場合、原材料名の最後に()を付けて、その中に記述する。また、原材料名欄と添加物欄を、別欄に別けて表示する場合、それぞれの末尾に同様の記述が必要となる。例)(一部に小麦・卵を含む)
  • 特定原材料が複数になる場合は「・」を用いて区切る。例)ショートニング(牛肉・大豆を含む)
  • 「個別表示」と「一括表示」を併用することは認められない。ただし「業者間取引の資料」を除く。
  • 特定原材料に由来する添加物を含んでいる場合は、その添加物の直後に()を付けて、特定原材料等に由来する旨を表示する。例)レシチン(大豆由来)
  • 2 種類以上の原材料または添加物を使用し、同じ特定原材料が含まれている場合、どちらかに特定原材料を含んでいることを表示すれば、それ以外の特定原材料の表示は省略が可能。

以下が実際の例です。分かりやすいように、該当箇所を赤文字で表示しています。

【個別表示の表示例】原材料名:◯◯◯(△△△△、ごま油)、ゴマ、□□、XXX、醤油(大豆・小麦を含む)、マヨネーズ(大豆・卵・小麦を含む)、たん白加水分解物(大豆含む)、卵黄(卵を含む)、食塩、◇◇◇、酵母エキス(小麦を含む)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(ステビア)、◎◎◎◎(大豆由来)

【一括表示の表示例】原材料名:◯◯◯(△△△△、ごま油)、ゴマ、□□、XXX、醤油、マヨネーズ、たん白加水分解物、卵黄、食塩、◇◇◇、酵母エキス / 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(ステビア)、◎◎◎◎、(一部に小麦・卵・ごま・大豆を含む)

 

一括表示の方をよく見る気がしますが、個別表示の方がいいんですね!

 
 

そうなんじゃ、食品表示は「消費者のため」のもの、こういった心配りができる商品は、きっと消費者にも受け入れられるじゃろう。

 

アレルギー表示に関する2020年4月からの主な変更点

次に、2020年03月まで認められていたけど「認められなくなったもの」、逆に「認められるようになったもの」をまとめてみました。

ぜひ参考にしてみてください。

アレルギー表示の一括表示が可能に

アレルギーの「基本ルール」でも説明した通り、アレルギー表示は「個別表示が原則」ですが、例外的に「一括表示も可能」となりました。

特定加工食品の廃止

以前は、原材料から「明らかに特定原材料と予測できる」と考えるもの(例えば、小麦を含む「うどん」など)については、「特定加工食品」としてアレルギー表示が省略できました。

しかし、新しいルールでは、省略ができなくなりました。

特定加工食品の拡大表記の廃止

以前は、食品の「名称」に上記の「特定加工食品」の名称を含むことにより、特定原材料を含むことを予測できる食品(例えば、ロールパン←小麦を含んでいることが予想できる)については、特定原材料の表示が省略できましたが、それが廃止され、表示が必須となりました。

代替表記の廃止

以前は、特定原材料と同一ということが理解できる表記(例えば、小麦→コムギなど)が、認められていましたが、廃止となり、特定原材料の通りの表示が必須となりました。

6. 添加物(食品添加物)

添加物は、近年で特に消費者や取引先の目が厳しくなってきている部分です。しっかりと確認していきましょう。

添加物は、守るべき特別ルールが多く、それを確認するための手間が多くかかります。

 

先生!ここは計算が絡んだり、添加物の特性も知っておく必要があるので、ややこしそうですね。。

 
 

そうなんじゃ、守るべき特別ルールが多いので、特にツールに頼りたいところじゃな。

 

添加物の計算に便利なツールはコチラ

基本ルール

  • 添加物の表示場所は、以下の3タイプが可能。
    1. 原材料と添加物を記号「/」で区分して表示。(図:例1)
    2. 原材料と添加物を改行して表示(図:例2)
    3. 原材料と添加物を別欄に表示(図:例3)
  • 重量の高いものから順に表示が必要。
  • 原則、食品衛生法施行規則の別表第一に記述された「指定添加物」、厚生省告示の「既存添加物名簿」、食品衛生法の「天然香料」、食品衛生法施行規則の別表第一に記述された「指定添加物」、「一般飲食物添加物」の中から決められた物質名の表示が必要。

例1 原材料と添加物を記号で区別して表示、原材料名:いちご、砂糖 / ゲル化剤(ペクチン)、酸化防止剤(ビタミンC)

例2 原材料と添加物を改行して表示、原材料名:豚ばら肉、砂糖、食塩、卵たん白、植物性たん白、香辛料 リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素

例3 原材料と添加物を別欄に表示、原材料名:豚ばら肉、砂糖、食塩、卵たん白、植物性たん白、香辛料[原材料名内で欄を別けて]リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素

特別ルール①:特定の添加物に該当する場合(必ず確認)

  • 食品表示基準の「別添 添加物1-3」のリストにある添加物は、用途名をあわせて表示が必要。

この部分に関連するものとして、一部情報は被ってしまいますが、食品表示基準の「別表第六(第三条関係)」でも、詳細を確認することができます。

特別ルール②:特定の添加物を併用した場合

  • 食品表示基準の「別添 添加物1-2」のリストにある添加物は、他の特定の添加物を併用した場合、特殊な簡略表示が可能。

特別ルール③:特定の添加物を併用した場合

  • 食品表示基準の「別添 添加物1-4」のリストにある添加物は、特定の目的で添加物を併用した場合、個別の物質名を表示せず、一括表示が可能。

この部分に関連するものとして、一部情報は被ってしまいますが、食品表示基準の「別表第七(第三条関係)」でも、詳細を確認することができます。

特別ルール④:一部の添加物における表示の免除

  • 以下で使用される添加物については、非表示が可能。ただし、アレルゲンが含まれている場合は、アレルゲンの表示が必要。
    • 栄養強化の目的で添加されるビタミン類・ミネラル・アミノ酸類
    • 加工助剤
    • キャリーオーバー

「栄養強化」「加工助剤」「キャリーオーバー」それぞれに、定義がしっかりと決まっているので、解説します。

栄養強化の目的で添加されるビタミン類・ミネラル・アミノ酸類

文字通り「栄養の強化」を目的として添加されるものを言います。

これらは、具体的に決められており、食品表示基準の「別添 添加物1-5」のリストで確認することができます。

加工助剤

食品の加工の際に添加されるもので、以下の3つの「いずれか」に該当するものを言います。

  1. 当該食品の完成前に除去される
  2. 当該食品に通常含まれる成分と同じ成分になり、かつ成分の量を明らかに増加させない
  3. 含まれる量が少なく、かつ当該食品に影響を及ぼさない

キャリーオーバー

以下の「すべて」の条件に一致するものを言います。

  1. 当該食品の原材料の製造または加工の過程において使用される
  2. 当該食品の製造または加工の過程において使用されない
  3. 当該食品において添加物が効果を発揮する量よりも少ない量しか含まれていない

特に 3 については、判断が難しいと思いますので、怪しい場合は表示をしてしまった方が、間違いは少ないかと思います。

特別ルール⑤:添加物の構成要素別表示

  • 複数の加工食品により構成される加工食品については、食品の構成要素ごとに添加物の表示が可能。

特別ルール⑥:特定の食品に該当する場合

特別ルール⑦:容器包装の表示可能面積が、だいたい 30c㎡ 以下である場合

  • 「特定保健用食品」「機能性表示食品」以外であれば、「添加物」の表示の省略が可能。

7. 栄養成分

容器や包装に入れられた、消費者向けの加工食品には、「栄養成分の表記が必須」となります。

栄養成分の表示項目には、「義務」「任意」の項目があるので、それぞれ解説していきます。

表示項目

義務

まずは、表示が必須となっている項目を列挙します。5つあるので「5大栄養素」とも呼ばれています。

  • エネルギー
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • 食塩相当量

任意

任意の中には、さらに「推奨」されている項目があります。

「推奨」は、今後意識が高まることも予想され、義務化される可能性もあるので、今のうちに算出されることをオススメします。

  • 飽和脂肪酸(推奨)
  • 食物繊維(推奨)
  • 糖類
  • 脂質
  • コレステロール
  • ビタミン・ミネラル類

基本ルール

  • 食品単位当たり(100g、100ml、一食分、一包装など)の量の表示が必要。
  • 一食分である場合は、一食分の量(gなど)の表示が必要。
  • 栄養成分の算出は、3 つの方法が選択できる。
    1. 原材料における栄養成分の量から算出して得られた値
    2. 当該食品と同様の組成と考えられるものを分析して得られた値
    3. その他の合理的な推定により得られた値(根拠資料の保管が必要、また栄養成分の強調表示には使用不可。)
  • ナトリウムで算出した場合は、2.54 をかけた数値を「食塩相当量」として表示が必要。
  • 基本的な表示方法は以下に従う。枠線を省略することは可能だが、熱量・栄養成分の順番を変更することは不可。

別記様式二(食品表示法:第八条、第二十二条、第三十五条関係)

追加ルール:5大栄養素以外に栄養成分表示を行いたい場合

下記のような表示をしてください。

別記様式三

特別ルール:ナトリウム塩を添加していない食品にナトリウム量を表示しようとする場合

以下のように表示に従う必要があります。

ナトリウム塩を添加していない食品にナトリウム量を表示するときの表示例

特別ルール①:含有量を0と表示したい場合

  • 食品表示基準の「別表第九」 で設定されている数値未満であれば「0」と表示が可能。

特別ルール:栄養成分・カロリーの適切な摂取ができる表示をしたい場合(任意)

これらは「食品表示基準」において「栄養強調表示」と呼ばれています。

これを表示したい場合、食品表示基準の「別表第九」にて指定されている該当カロリー・栄養分の算出方法によってでた数値を表示することが、任意で認められています。

特別ルール:容器包装の表示可能面積が、だいたい 30c㎡ 以下である場合

  • 「特定保健用食品」「機能性表示食品」以外であれば、一括表示から「栄養成分」の項目自体の表示を省略できます。

8. 内容量(内容重量・内容体積・内容数量)

内容量は、そこまで難しくありません。表記方法は、以下の 3 種類のいずれかを選んでください。

基本ルール

  • 内容重量の場合、数量と単位(「g」「kg」「グラム」「キログラム」のいずれか)で表示が必要。例)200 g
  • 内容体積の場合、数量と単位(「ml」「ℓ」「ミリリットル」「リットル」のいずれか)で表示が必要。例)120 ml
  • 内容数量の場合、数量と単位の表示が必要。例)12 個、3 本

特別ルール①:特定の食品に該当する場合

特別ルール②:内容量を外見上容易に識別できるもの

特別ルール③:容器包装の表示可能面積が、だいたい 30c㎡ 以下である場合

9. 消費期限(賞味期限)

消費期限は、どのように設定するのか疑問に思った方もいるかもしれません。

実は、消費期限・賞味期限については、具体的な検査は求められていません。

 

えぇ!先生、賞味期限・消費期限って、そんな適当なものだったんですか・・。

 
 

もちろん、適当に設定してしまうと、取り返しのつかないことになるので、しっかりと確認しよう!

 

詳しくは、以下の基本ルールに従って設定してください。

基本ルール

  • 「消費期限」もしくは「賞味期限」のどちらかを記載する。(一般的には、品質が急速に劣化するものは「消費期限」、それ以外の食品は「賞味期限」とする。)
  • 期間の設定は、一般的には微生物実験が必要であるが、これに限らず、理化学実験・官能試験などの試験、これまでの商品の開発・営業などにより蓄積した経験や知識、業界団体が作成した期限の設定のガイドラインを有効活用し、科学的・合理的な根拠に基づき設定する。
  • 具体的な日付の表記方法については、以下を参考にする。

製造・加工した日から賞味期限・消費期限まで 3 ヶ月以内のもの

いずれかの表記が可能となります。

  1. 令和 1 年 3 月 31 日
  2. 1.3.31
  3. 1 03 31
  4. 2020.3.31
  5. 2020 03 31
  6. 20.11.1
  7. 20 11 01

製造・加工した日から賞味期限・消費期限まで 3 ヶ月を超えるもの

いずれかの表記が可能となります。

  1. 令和 1 年 3 月
  2. 1.3
  3. 1 03
  4. 2020.3
  5. 2020 03
  6. 20.3
  7. 20 03

特別ルール:品質の変化が極めて少ない以下の商品の場合

  • 「でん粉」「チューインガム」「冷菓」「砂糖」「アイスクリーム類」「食塩及びうまみ調味料」「酒類」「飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓を付けたものを除く。)又はポリエチレン容器入りのものに限る。)」「氷」の場合、「消費期限(賞味期限)」自体を省略可能。

和暦について著者の考え方

上記の書き方を見ていただければ分かりますが、令和と西暦の差は 19 年しかなく「1.3.31」と書かれた表記を見て、2001年3月31と誤解する方も、数は少ないとはいえ出てくるのではないかと思います。

国が、なぜこのように誤解されるような表記を許容するのは謎ですが、これを読んでおられる読者の方は、消費者のためにも「西暦」で表記されることをオススメします。

10. 保存方法

開封前の保存方法を、食品の特性に従い、「直射日光を避け、常温で保存すること」、「10℃以下で保存すること」の様に表示してください。ただし、食品衛生法第 11 条第1項の規定により、保存の方法の基準が定められたものには、その基準に従って表示してください。

特別ルール:常温で保存すること以外に保存方法に関し留意すべき事項がない場合

  • 一括表示から「保存方法」の自体を省略することが可能。

11. 製造者(もしくは加工者・輸入者・販売者)

正しくは「食品関連事業者の氏名または名称および住所」といった項目ですが、比較的カンタンです。

食品表示ラベルの内容に責任を持つ者が、製造者であれば「製造者」、加工業者であれば「加工者」、輸入業者であれば「輸入者」と表示します。また、これらの人に代わって販売者が責任を持つ場合は「販売者」となります。

これらをまとめて「食品関連事業者(表示責任者)」と呼びます。

それでは、ここについて解説していきたいと思います。

後半は、関係無い方も多いと思うので、読み飛ばしてください。

表示事項

  • 事項名(製造者、加工者、輸入者販売者)
  • 氏名または名称
  • 住所

名称, 原材料名, 添加物, 内容量, 消費期限, 保存方法, 製造者:□□株式会社 東京都千代田区霞が関■ー■ー■

追加ルール①:食品表示ラベルの内容に責任を持つ者と、食品の衛生状態を最終的に変化させる製造所・加工所が異なるとき

  • 食品関連事業者(表示責任者)とは別に「製造所」又は「加工所」の「所在地」と「氏名または名称」の表示が必要。
  • 輸入品では、輸入業者の「営業所」の「所在地」と「氏名又は名称」の表示が必要。
  • 乳では「乳処理場」の「所在地」と「氏名または名称」の表示が必要。
  • 特別牛乳では「特別牛乳搾取処理場」の「所在地」と「氏名または名称」の表示が必要。

名称, 原材料名, 添加物, 内容量, 消費期限, 保存方法, 製造者:□□株式会社 東京都千代田区霞が関■ー■ー■, 製造所:東京都千代田区永田町●ー●ー●

名称, 原材料名, 添加物, 内容量, 消費期限, 保存方法, 製造者:□□株式会社 東京都千代田区霞が関■ー■ー■, 製造所:○○株式会社 東京都千代田区永田町●ー●ー●

追加ルール②:同一製品を複数の製造所で製造している場合

同一製品(全く同じ規格と包材を使用したもの。内容量が異なる場合や、キャンペーンによってデザインが異なる場合も、同一製品ではありません。)を 2 つ以上の製造所で製造している場合には、以下のルールが適用されます。

  • 消費者庁長官に届け出た「製造所固有記号」による表示が可能となる。
  • 自社の工場のみの場合、事項名は「製造者」と表示が必要。
  • 他社に製造を依頼している場合は「販売者」と表示が必要。
  • 自社と他社で製造している場合は「製造者」「販売者」と表示が必要。「製造所固有記号」を取得している場合は、さらに該当事項名の任意で表示が可能。

ただし、2 つ以上の製造所であっても「追加ルール②が適用されないケース」があります。

こちらは、関係のない方は無視していただいて大丈夫です。

  • 届出時に1つの製造所だが、「製造所固有記号」の有効期間内に、同一製品の製造を行う、他の製造所について製造計画書を提出している場合。
  • 以前の食品衛生法で「製造所固有記号」を使用することができた場所のうち、食品表示法において「加工所」とする場所が2つ以上で、同一製品を加工(食品の衛生状態を最終的に変化させている場所のみ)しているとき。
  • 他の法令によってトレースの制度が確立している場合。

次に「製造所固有記号」の書き方については、以下のようになります。

こちらも関係のない方は、無視していただいて大丈夫です。

  • 製造所の所在地(乳は乳処理場、特別牛乳は特別牛乳搾取処理場の所在地)の代わりに、製造者(乳は乳処理業者、特別牛乳は特別牛乳搾取処理業者)の住所を表示する場合、製造者の住所・氏名または名称の次に「+」に続けて「製造所固有記号」の表示が必要。例)ホゲホゲ食品製造株式会社 +HOGEHOGE123
  • 製造所の所在地・氏名または名称の代わりに、販売者(乳、乳製品、乳または乳製品を主要原料とする食品、を販売する者を除く)の住所・氏名または名称を表示する場合、販売者の住所、氏名又は名称の次に「+」に続けて「製造所固有記号」の表示が必要。
  • 同一製品を製造者自身と、他者に委託して製造する場合には、責任を有する者として表示される者の住所・氏名または名称の次に「+」に続けて「製造所固有記号」の表示が必要。
  • 原則として「製造所固有記号」は、製造者または販売者の住所、氏名または名称の次に書くことになりますが、容器包装の形などから仕方なく連記ができない場合は、住所・氏名または名称の次に「製造所固有記号」の表示場所を表示し、その表示場所に製造所固有記号である旨とともに「製造所固有記号」の表示が必要。

また「製造所固有記号」がある場合は、以下の3つのうち、いずれかを表示する義務があります。

  • 製造所固有記号が表す製造所所在地、製造者の氏名・名称について回答できる者の電話番号
  • アクセスした者が速やかに製造所の所在地等の情報を把握することができるウェブサイトのアドレス
  • 当該製品を製造している全ての製造所の所在地、製造者の氏名または名称、製造所固有記号(表示内容に責任を有する者の氏名または名称と、製造者の氏名または名称が同一である場合には、当該製品を製造しているすべての製造所の所在地及び製造所固有記号)

同一製品を2箇所以上で製造する場合、少し便利になる「製造所固有記号」の提出の仕方

製造所固有記号の届出は、表示内容について責任を持つ食品関連事業者が、「製造所固有記号制度届出データベース」から、オンラインで申請することができます。

1つの製造所につき、1つの「製造所固有記号」の取得ができ、10 文字以内のアラビア数字・ローマ字・ひらがな・カタカナの組合せで設定することができます。

有効期限は 5 年間で、その後も継続する場合は、届出者がオンラインから更新(更新期限の最大 90 日前から)することが必要です。

注意点として、更新期限までに更新情報の更新しない場合、製造所固有番号は廃止したとみなされ、更新期限日以降の使用は禁じられます。

12. その他(食品によって追加される項目)

ここまで来たら、もう少しです。

「11.製造者(もしくは加工者・輸入者・販売者)」までは、だいたいの食品が当てはまる項目ですが、食品によっては、さらに一括表示に「表示項目が必要となります。

確認方法は、食品表示基準の「別表第十九(第四条、第五条関係)」から該当の食品を探して内容に従ってください。該当の食品が見当たらない場合、追加の項目はありません。

食品ごとの特別ルール(必ず確認すること)

「生食用牛肉」が原材料に含まれている場合

生食用牛肉については、重大な食中毒などの問題が何度も起こっていることもあり「厳重な注意喚起」が必要となっています。

この記事の「表示ラベルを違反した場合(罰則・ペナルティ)」の中で、最も厳しい「重大な表示の不足、かつ緊急の場合」に当てはまるケースが多いと思いますので、しっかりと遵守してください。

具体的には、「容器包装の見やすい場所に特定の表示が必要」なのと、ラベルの話とは少しズレますが、容器包装に入れられてない場合「店舗の見やすい場所に特定の表示が必要」になります。

容器包装の見やすい場所に以下の表示が必要

  1. 生食用である旨
  2. 一般的に食用の生食は食中毒のリスクがある旨
  3. 子供、高齢者その他食中毒に抵抗力の弱い者は食肉の生食を控えるべき旨
  4. と畜場(とさつ、または解体が行われた場所)の「所在地の都道府県名(輸入品には原産国名)」と「名称」と「と畜場である旨」の3つ
  5. 加工施設(食品衛生法第11条第1項の規定に基づく生食用食肉の加工基準に適合する方法で加工が行われた施設)の「所在地の都道府県名(輸入品には原産国名)」と「名称」と「加工施設である旨」の3つ

店舗の見やすい場所に特定の表示が必要

  • 一般的に食用の生食は食中毒のリスクがある旨
  • 子供、高齢者その他食中毒に抵抗力の弱い者は食肉の生食を控えるべき旨

以下のいずれかに該当する場合

下記に該当する食品は、上記で説明した各項目を「上書き」するような形で「特別ルール」が存在しています。

かなり範囲が広く、この記事を読んでいる読者の食品も「いずれかの特別ルールに引っかかる」可能性が十分にあります。

どの食品が引っかかるか、どんな特別ルールがあるかは、食品表示基準の「別表第四(第三条関係)」を確認してみてください。

最後に

ここまで読んでいただいた方は、お疲れ様でした!

今までより、しっかりとした食品表示対応ができたのではないかと思います。

法令遵守のためにも、消費者のためにも、きちんとした食品表示をしていきましょう。わたしもがんばります!